現在、住宅リフォーム・紛争処理センターに寄せられる、リフォーム相談の状況の中でも、不具合事象に、「塗装」に関連するものが多いようです。
先日も、塗料メーカーの方から、お聞きしました。
「職人さんの中には、電子はかりを使わずに目分量で主剤塗料と硬化剤液を混ぜ合わせる方がいるんですよ。」
「そして、中には、乾くからいい!と、いって、硬化剤液を入れずにペンキを塗ってしまう塗装屋さんもいる。」と、言われました。
これは、明らかに手抜きですね。そのような施工では、おそらく塗料本来の性能は発揮されないでしょう。
それとは違い・・・
私達は塗料自体の不具合による欠陥も経験してきました。今までは、塗装店自身の施工管理を理由に、うやむやになってきたものが多々あります。
例えば、施工後3年たってから、屋根の色が変色した場合などは、
言いにくいのですが、メーカーもそうやって逃げてきたと思います。
しかし、メーカーの使用書どうりの、乾燥時間・塗り回数・㎡あたりの塗料使用量・希釈割合を守っても、不具合が出る場合があります。
難しいのは・・・
塗料は半製品といって、小麦粉や、粘土のように、単体では製品であって製品でないところです。
職人が塗装して、塗膜になって初めて製品になる物だからです。
新しい塗料の中にも、優れた塗料はたくさんあります。
塗料メーカーも新製品を出す前は、何度も実証実験・耐候性試験を重ねてきます。
しかし、実際の自然環境に勝るものは無いのです。
塗り研では、各塗装店の不具合データーを元に、オリジナルのノウハウを蓄積しています。
この塗料には、こんな不具合がある。しかし、こう使えばカバーできる。
それらを共有することにより、現場での失敗を未然に防ぐことができるのです。
実際に同じ条件で実験を行わないと確実なデーターが取れません。
塗装してある外壁の素材・その上に塗った下塗り塗料・気象条件(夏・冬など)・色・塗装する人、それらを同じ条件にして、塗料の種類を変えて実験して初めて意味のあるデーターが取れると思います。
このような不具合を、可能な限り少なくするために、塗り研では、塗料メーカーの期待耐候性グラフを鵜呑みするのではなくて、私達の目で実際の塗膜を確かめながら、データをとって行きたいと考えています。
塗料メーカーが塗料を作ってくれなかったら、私達は塗装することが出来ません。
だから、塗料メーカーを責めたくありません。
私たちは塗装店の集まりです。お客様におススメする塗料は、本当にいいものを使いたい。そのために塗り研では、情報収集・実験・分析をしています。
実際に塗り研では、大手塗料メーカー・特殊塗料メーカーの最新塗料および汎用塗料を集め、自分達の手で塗装しました。
何故か?
それは、塗料は実験室で研究者が塗るものではなく、現場で職人が塗るもの
だからです。
お客様におススメする塗料は、私達の手で塗装しました。
下記の写真は、実暴露耐候性試験と言います。